薬剤師が漢方薬をわかりやすく解説します。漢方薬を使ってみたいと思っているかた、これから漢方薬を勉強しようとお考えのかた、みなさんが薬局やドラッグストアで漢方薬を選ぶときなどに(薬剤師さんや登録販売者さんも、)参考にしてください。

加味逍遥散





加味逍遥散(かみしょうようさん)

逍遥散(しょうようさん)に牡丹皮と山梔子を加えたもの。別名:丹梔逍遥散

気血両虚で肝鬱化火のものに対する処方。

逍遥散の適応に準じるが、特に熱証のあきらかなもの用いられる。

ただし、逍遥散は医療用エキス製剤にないために、加味逍遙散の方が逍遥散よりもよく使われている状況です。

加味逍遥散の出典

内科摘要、女科撮要、和剤局方、万病回春など(諸説あり)

加味逍遥散を構成している生薬

柴胡(サイコ)
芍薬(シャクヤク)
当帰(トウキ)
白朮(ビャクジュツ) ※蒼朮(ソウジュツ)を使うメーカーもあります
茯苓(ブクリョウ)
生姜(ショウキョウ)
甘草(カンゾウ)
薄荷(ハッカ)
牡丹皮(ボタンピ)
山梔子(サンシシ)

加味逍遥散の適応症状

更年期障害、またそれによると思われる症状、不定愁訴

(頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、不眠、発汗、ホットフラッシュ、食欲不振、倦怠感・・・)

冷えのぼせ、虚弱体質

うつ、精神不安、イライラし怒りっぽいなどの精神神経症状

月経不順、月経困難症、月経前の乳房腫痛、月経前症候群、不妊症

血の道症、自律神経失調症(めまい、動悸)

便秘

肝障害(肝硬変の初期)

皮膚炎などの皮膚疾患(ストレスで悪化するアトピー性皮膚炎、月経前に増悪するニキビなど)

膀胱炎、尿道炎、(ストレス性の)口内炎・舌炎

  • 保険適応外の症状を含みます。
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が加味逍遥散で治せる、ということではありません。

加味逍遥散の使用のポイント

「四逆散」(しぎゃくさん)からの変方とも言われ、ストレスからくる精神的症状の緩解に用いられることが多い方剤です。

精神的症状がみられる更年期障害にはファーストチョイスとなっています。

不定愁訴といわれる心身の様々な症状に広く使われます。

女性の場合、月経周期と関連して起こる症状、というのもポイントになります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)で胃腸障害を起こす人でも、加味逍遙散なら大丈夫な場合があります。

婦人科における代表的な漢方薬ですが、もちろん男性でも使えます。

清熱薬である牡丹皮・山梔子が配合されるので、怒りっぽい、イライラが激しい、のぼせ、ほてり、口喝など、熱証を抑える効果が期待されます。

加味逍遥散の注意点

胃腸の虚弱な人は、食欲不振や下痢、吐き気などの消化器症状の副作用が起こることがあります。

牡丹皮・山梔子は熱を冷やす生薬なので、冷えると症状が悪くなるときには、これらが配合されない逍遥散の方が適します。

白朮ではなく蒼朮を配合しているメーカーのもあります。加味逍遙散では蒼朮であってもあまり大きな問題はないかもしれませんが、気になる場合、もし選べるなら白朮の方をお選び下さい。

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

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