薬剤師が漢方薬をわかりやすく解説します。漢方薬を使ってみたいと思っているかた、これから漢方薬を勉強しようとお考えのかた、みなさんが薬局やドラッグストアで漢方薬を選ぶときなどに(薬剤師さんや登録販売者さんも、)参考にしてください。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)





当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):TSS

もとは、婦人の妊娠時腹痛に対してつくられた処方です。

安産の薬、安胎薬としても知られています。

女性用の漢方薬のイメージが強いですが、男性に用いられることもあります。

補血(「四物湯」-地黄)+利水(「五苓散」-桂枝・猪苓)という構成です。

当帰芍薬散の出典

金匱要略(3世紀)

当帰芍薬散を構成する生薬

当帰(トウキ)
芍薬(シャクヤク)
川芎(センキュウ)
沢瀉(タクシャ)
茯苓(ブクリョウ)
白朮(ビャクジュツ)または蒼朮(ソウジュツ)

  • 蒼朮:ツムラ・マツウラ・JPS
  • 白朮:オースギ・クラシエ・コタロー・本草・太虎堂・三和・ジュンコウ・東洋・テイコク

当帰芍薬散の適応症状

月経異常(月経不順、月経痛)、子宮内膜症、更年期障害、血の道症

冷え症、四肢冷感、しもやけ、むくみ、めまい、立ちくらみ、車酔い、耳鳴り

貧血、産前産後または流産による貧血・疲労倦怠感、

頭痛、頭重感、肩こり、腰痛、高血圧、低血圧、動悸、自律神経失調症、心臓弁膜症

妊娠時の腹痛、習慣性流産、不妊症、つわり、吐き気

気管支喘息、腎疾患、習慣性膀胱炎、脱肛、痔核、脚気、半身不随、嗅覚障害

  • 保険適応外の症状を含みます。
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が当帰芍薬散で治せる、ということではありません。

当帰芍薬散の使用のポイント

やせ型で筋肉が軟弱(柔らかい)、色白または青白い、むくみやすい女性に用いられることが多い漢方薬です。

補血と利水を合わせた構成になっています。

血虚の(血が不足している)ために起こる腹痛に用いられます。

血虚の月経痛は、下腹部全体がシクシクと絞られるように痛み、出血が始まってから痛む傾向があります。

頭痛や肩こりは、天気が悪い日に悪化する傾向があります。

冷え症(特に腰から下)、または冷えると症状が悪化する方に用いますので、体を冷やさないようにすることも大事です。

特に冷えが強い場合、当帰芍薬散に附子(ブシ)を加えた「当帰芍薬加附子湯」(とうきしゃくやくかぶしとう)が用いられます。(三和)

当帰芍薬散の注意点

のぼせ、熱がり、喉が渇く、口の中が乾燥している、尿の色が濃い、などの時は使えません。

湿証向きの方剤であり、皮膚の枯燥傾向のある方には用いません。乾燥がみられるときは四物湯(しもつとう)や温経湯(うんけいとう)が用いられます。

当帰、川芎によって、胃部不快感、悪心、食欲不振など胃腸障害を起こすことがあります。空腹時ではなくて食後に服用すれば大丈夫な場合もあります。または、人参や人参湯安中散六君子湯半夏瀉心湯などを併用して使われることがあります。

不妊治療に使われることも多い方剤ですが、不妊症というだけで証が合っていなければ意味がありません。

白朮を使うメーカーと蒼朮を使うメーカーがあります。当帰芍薬散の場合はどちらが正しいかということは言えませんが、専門家によっては使い分けることがあるかもしれません。胃腸障害の起きてしまいやすい人は、白朮の方を選ばれた方が良いと思います。

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

 一般用医薬品の当帰芍薬散の例

   

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