薬剤師が漢方薬をわかりやすく解説します。漢方薬を使ってみたいと思っているかた、これから漢方薬を勉強しようとお考えのかた、みなさんが薬局やドラッグストアで漢方薬を選ぶときなどに(薬剤師さんや登録販売者さんも、)参考にしてください。

葛根湯(かっこんとう)





葛根湯(かっこんとう):KT

カゼの常備薬として活用される代表的な漢方薬です。

風邪薬のイメージが強いですが、カゼ以外の適応範囲も広いです。

生薬構成は、桂枝湯(けいしとう)に葛根と麻黄を加え、桂枝と芍薬を減量した処方です。

医療用エキス製剤では、ツムラ・クラシエ・コタロー・テイコク・オースギ・JPS・東洋・マツウラ・本草・三和・ジュンコウ・太虎堂など多数あり、

クラシエとオースギには錠剤もあります。

葛根湯の出典

傷寒論・金匱要略(3世紀)

葛根湯を構成している生薬

葛根(カッコン)
麻黄(マオウ)
桂枝(ケイシ) ※
芍薬(シャクヤク)
甘草(カンゾウ)
生姜(ショウキョウ)
大棗(タイソウ)

※エキス製剤では桂皮(ケイヒ)のことが多いです。

葛根湯の適応症状

自然発汗がないカゼの初期の症状(頭痛、発熱、悪寒など)

感冒、鼻かぜ、下痢を伴うカゼ

副鼻腔炎(の急性期)、アレルギー性鼻炎、鼻閉(鼻づまり)

炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、リンパ腺炎、乳腺炎)

頭痛(筋緊張性頭痛、片頭痛)、項背部や肩のこり、上半身の神経痛、寝ちがい、筋肉痛、肩関節周囲炎、五十肩、首の痛み

じんましん、湿疹

  • 保険適応外の症状を含みます。
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が葛根湯で治せる、ということではありません。

葛根湯の使用のポイント

桂枝と麻黄が合わさるので、発汗作用が強い方剤です。

熱性疾患の初期に発汗剤として用います。

汗の出ない発熱で、悪寒(さむけ)を同時にともなうカゼに用います。

服用後は、風にあたったり体を冷やさないようにしましょう。

体表を温めて発汗させる目的がありますので、基本的には体を冷やす解熱鎮痛剤との併用は避けた方が良いです。

その他、項背部のこり、後頭部の頭痛などで、上半身のこわばりを伴う症状に有効です。この場合は発熱がなくて使用できます。

副鼻腔炎(蓄膿症)に対しては、葛根湯に川芎と辛夷を加えた、「葛根湯加川芎辛夷」の方がよく利用されます。

葛根湯の注意点

汗の出やすい表虚証の人は使えません。桂枝湯を用います。

カゼ以外に使う場合は、長期間の服用が必要なことがあります。

その時は、麻黄による悪心、胃もたれ、食欲不振、または血圧上昇、不眠、動悸、排尿障害などに副作用に注意して下さい。

麻黄には交感神経興奮作用があります。眠くなりにくい風邪薬と宣伝されることがありますが、使いすぎると逆に眠れなくなります。

麻黄の副作用により葛根湯が使えない場合、麻黄が含まれていない「桂枝加葛根湯」(けいしかかっこんとう)を使ってください(東洋など)。
【第2類医薬品】三和生薬 サンワ桂枝加葛根湯エキス細粒「分包」30包

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

一般用医薬品(市販薬)の葛根湯の例

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