薬剤師が漢方薬をわかりやすく解説します。漢方薬を使ってみたいと思っているかた、これから漢方薬を勉強しようとお考えのかた、みなさんが薬局やドラッグストアで漢方薬を選ぶときなどに(薬剤師さんや登録販売者さんも、)参考にしてください。

薏苡仁湯(よくいにんとう)





薏苡仁湯(よくいにんとう)

湿痺に対する処方です。

麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)の杏仁を抜き、蒼朮・当帰・桂枝・芍薬を加えたものとなります。

「薏」の字がJIS第1・第2水準の漢字ではないために「よく苡仁湯」と書かれることも多いです。

薏苡仁湯の出典

明医指掌(17世紀)   (※『類証治裁』に同名異剤があります。)

薏苡仁湯を構成する生薬

麻黄(マオウ)
当帰(トウキ)
蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
薏苡仁(ヨクイニン)
桂枝(ケイシ)または桂皮(ケイヒ)
芍薬(シャクヤク)
甘草(カンゾウ)

薏苡仁湯の適応症状

関節痛、神経痛、関節リウマチ、変形性膝関節症、脚気、脊椎症

肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腰痛、膝関節水腫、結核性関節炎、腱鞘炎、筋炎

  • 保険適応外の症状を含みます。
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が薏苡仁湯で治せる、ということではありません。

薏苡仁湯の使用のポイント

痛みは比較的軽度ではあるがなかなか改善せず、やや慢性化している疼痛や腫脹に適応となります。

「湿痺」とは、組織に浮腫があり、それによって経絡の流れが悪く、血行障害や筋肉の痛みが生じているものです。しびれ感や重だるい感覚が特徴です。

薏苡仁湯は患部の浮腫を除きながら、痛みやこわばりを軽減する漢方薬です。

高齢者に使われることも多く、やや実証からやや虚証の方に広く使われています。

患部の熱感や腫れはないか、または(あまりひどくない)熱をもっている関節痛や筋肉痛に用いられます。

防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)と併用して使われることがあります。

熱感が強い場合、炎症が強い場合は、効果があまり期待できないかもしれません。

薏苡仁湯の注意点

蒼朮ではなく、代わりに白朮を使用しているメーカーがありますが、この方剤の場合、蒼朮の使用が望ましいです。

まれに当帰により胃腸障害を起こす場合があります。

麻黄による副作用(悪心、食欲低下、不眠、動悸、血圧上昇、排尿障害など)の発現に気を付けなければいけません。

甘草が含まれますので、長期使用時や他の漢方薬と併用するときは、偽アルドステロン症に注意が必要です。

関節に発熱がある場合は「桂芍知母湯」、初期の軽症の痛みには「麻杏薏甘湯」などの方が合うかもしれません。

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

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