麻子仁丸の構成

麻子仁丸(ましにんがん)です。

麻子仁丸の構成は、大黄・枳実・厚朴・麻子仁・杏仁・芍薬です。

整理して置き換えてみるとこのようになります。

麻子仁丸=(大黄+枳実+厚朴)+(麻子仁+杏仁)+芍薬

=(大承気湯-芒硝)+(麻子仁+杏仁)+芍薬

=小承気湯+麻子仁+杏仁+芍薬

 

(※→参考に大承気湯の記事)

つまり「麻子仁丸」は「小承気湯」(しょうじょうきとう)がベースとなっている形で、

そこに、処方の名前にもなっている「麻子仁」(ましにん)と、

もうひとつ、杏仁」(きょうにん)の作用が、この漢方薬の特徴となります。

「仁」は果実の種子のことです。

 

麻子仁は、クワ科のアサの果実です。

種子には脂肪油が多く含まれます。

この油分には、腸管の刺激作用と、便を軟らかくすることで排便を促進する作用があります。

同様に、杏仁はバラ科のアンズの種子であり、やはり油分を多く含み、便を軟らかくする作用があります。

麻子仁と杏仁で、腸管内の乾燥を防ぎ、潤しておくことができます。

 

その他、「小承気湯」の部分は、

大黄の瀉下作用と、

枳実・厚朴で蠕動運動を強めており

さいごの芍薬は鎮痛に働きます。

 

したがって、「麻子仁丸」というのは、

高齢者や病後にみられるような、身体のうるおいが低下した状態で、腸管内が乾燥して起こる便秘、

または、腸の蠕動運動が低下して、便の停滞時間が長くなり、水分が過剰に吸収されて硬くなった便秘、

に対して使う薬ということになります。

慢性的な便秘の方で、便がよりスムーズに自然に近いかたちで出せるようにという薬です。

 

 

補足

・本来であれば丸剤なので、生薬が手に入れば、生薬を蜂蜜で丸めて服用してもいいです。蜂蜜にも便通改善効果があります。エキス製剤には蜂蜜は入っていません。

・麻子仁丸だけでは補益の効果は少ないので、あまり長期連用する方剤ではありません。血虚による便秘に使える「潤腸湯」(じゅんちょうとう)との違う点です。(参考記事→潤腸湯と麻子仁丸の違い

・大黄が一応含まれますので妊婦さんは注意が必要です。

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(余談)麻について

麻子仁はアサの種子ですが、

アサの枝葉の方は大麻といいます。

大麻取締法で規制されています。

アサの種子を入手してもそこから大麻を栽培することはできません。

通常、種子は輸入時に発芽防止処理が行われていますので。

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