見た目はアーモンド

桃仁(トウニン)と杏仁(キョウニン)について

桃仁・・・バラ科のモモ(桃)の種子

杏仁・・・バラ科のアンズ(杏)の種子

杏の実はアプリコット(apricot)とも言われますが、漢方薬で使うのは種子の方です。「仁」は種を意味します。

同じバラ科の果実の種子、ということで共通する作用を有します。

種子の形や色もアーモンド(バラ科)みたいで、見た目にもよく似ていて区別が難しいです。

桃仁の方が杏仁よりもやや大きくて扁平です。

 

桃仁・杏仁の共通の効果

植物の種子ということで、ともに油分が豊富に含まれていますので

桃仁・杏仁ともに、腸内を滑らかにする潤腸通便の効果が期待できます。

腸管内が乾燥して起こる便秘に使われます。例えば「潤腸湯」(じゅんちょうとう)が代表的ですが、高齢者や産後の血虚による便秘に用いられます。

逆に言えば、両方とも、軟便や下痢をしているときには、使えないということです。

 

 

桃仁の特徴

桃仁は、

「桂枝茯苓丸」(けいしぶくりょうがん)、「大黄牡丹皮湯」(だいおうぼたんぴとう)に代表される駆瘀血剤に配合されますように、

瘀血を除いて血流を改善させる作用がよく知られます。

瘀血による痛みがあるときにも使われます。

瘀血を除く作用と、通便の作用で、「瀉」するはたらきの多い桃仁であり、

妊婦さんには禁忌となります。

 

杏仁の特徴

※漢方で使う場合は「アンニン」ではなく、「キョウニン」と言います。

杏仁といえば鎮咳去痰作用がよく知られています。

「麻黄湯」(まおうとう)、「麻杏甘石湯」(まきょうかんせきとう)、「五虎湯」(ごことう)や「キョウニン水」など、咳止め効果を期待して使われることが一般的です。

痰を除き、「気」を降ろして咳をしずめ、呼吸をラクにします。

(桃仁にも少し、咳止めの効果があるとも言われます。)

 

使い方として、

桃仁も杏仁も、泥状(ペースト状)にすりつぶして用いるのが最も有効、とされています。

 

バラ科のアミグダリンに注意

バラ科の植物の種子に共通して含まれる成分のなかに、アミグダリンという青酸配糖体があり、シアン化水素(青酸:毒)になり得ますので、大量の摂取はいけません。

食用とされているアーモンドや、杏仁豆腐に使われる甘い杏仁などは、アミグダリンの含有が極めて低い品種です。

梅干しや梅酒のウメでは、加工の段階で減毒されているようです。

しかし、モモ、ウメ、サクランボ、ビワ、リンゴなど、バラ科の(特に未熟な)果実の種子には、アミグダリンが多く含まれていると言われていますので注意が必要です。

熟した実(果肉)の方であれば大丈夫だと思いますが、ご自身で種子を(生で)薬として摂取しようとすることは控えてください。

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