「乙字湯」(おつじとう)は、痔のために作られたといわれる方剤です。

痔といっても、様々な痔があると思いますが、

さまざまな痔、一般的に広く使われています。

 

 

構成生薬は、

当帰・柴胡・黄芩・甘草・升麻・大黄です。

 

大黄・甘草が入っていますが、大黄剤(瀉下剤)という程ではなく、

配合量では、大黄が最も少なくて、

逆に一番、配合量の多いのは、当帰です。

 

柴胡と黄芩の組み合わせだとみれば、柴胡剤であります。

 

乙字湯の原典では、当帰が配合されておらず、

代わりに大棗・生姜が使われています。

つまり、もともとは、柴胡・黄芩・甘草・升麻・大黄・大棗・生姜ということですが、

この構成は、下線部の部分に限れば、「大柴胡湯」(だいさいことう)と共通の生薬になります。

 

「大柴胡湯」といえば、炎症の疾患に対してよく使われます。

柴胡剤の中でも、体力のある実証の人向きとして用いられる方剤です。

冷やす作用(寒性)の生薬中心に構成されています。

 

現在使われている「乙字湯」では、上でも書きましたが、

当帰が加えられていて、

しかも当帰の配合量がもっとも多くなっています。

当帰が多いというのが、この方剤のポイントになるのですが、、、

 

まず、当帰は温性の生薬です。

これによって、「大柴胡湯」などにくらべると、寒熱のバランスがとれて、

体質にかかわらず、一般的に使いやすい処方に整えられたことになります。

しかも、

痔というのは、毛細血管の血液の停滞、血行障害があって腫れたりするわけで、

血流改善の効果のある当帰は、利にかなっています。

さらに、

当帰は、腸を潤します。

大黄との配合によって、排便時にいきむ、ということの回避にもつながります。

 

炎症を抑えるためには甘草の量が多い方がいいと言われます。

例えば、「芍薬甘草湯」や「麻杏甘石湯」などを頓服で上乗せしたりすることもあるかもしれませんが、

この場合は、もちろん甘草の過剰による副作用に注意が必要です。

 

また、お腹の弱い人が使うと、下痢するかもしれませんので、気をつけて下さい。

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