お腹が冷えたことが原因の下痢の特徴

漢方的に考えられるお腹が冷えたときの傾向をまとめます。

お腹(身体の中心)が冷えてしまうとどうなるか・・・

まず、腸の蠕動運動は、消化吸収のはたらきではなく、

冷えないように、冷えやすい余分な水分を早く排泄しようとする方向に動きだし、

腸の内容物の動きは速くなり、腸鳴がおこり

便の状態は、消化が不完全な便(泥状~水様の便)になります。

 

「寒」と「熱」の下痢の違い

冷え(漢方では「寒邪」と言いますが)による下痢のときは、腸内の炎症(「寒」に対して「」)によるときと違い、

同じ下痢でも、便の醗酵・腐敗は起こりませんので、臭いはきつくはなりません。

胃腸炎による下痢では、便と一緒に水分が失われるので、水分が摂れなければ脱水のおそれがあり、のどの渇き、尿量の減少が起こってきます。

しかし、冷えのときは、炎症の熱によるような水分の消耗が少なく、

また、汗もかかないと考えられるので、

下痢になっていても、脱水の症状があまりみられません。

むしろ寒さにより頻尿の傾向があります。尿の色は薄いです。

また、口渇はなく、胃が冷えているときには、逆に唾液があふれてくることがあります。

 

そして、なにより

お腹を暖めたり、温かいもの飲んだりすると、

気持ちがラクになったり、症状が軽減したりします。

よって基本的には、

お腹の冷えが原因の下痢のときは、

お腹を温めるはたらきのある漢方薬が使われます。

 

 

お腹が冷えて下痢のときに「人参湯」

体を冷えたこと、または冷たいものを食べたり飲んだりしたことが原因の下痢に、「人参湯」(にんじんとう)が使われます。

冷えが原因のとき、という場合ですので、整理しておきますと

・汗が出ないので、トイレは近く、尿量が多い、尿の色は薄い

・口渇はなく、唾液が多い

・暖かい飲み物を好む

という特徴があります。

尿は出ているので、消化管内に水分が特別に多いわけではなく、

そのため水様便というよりも、泥上のベトベト便であったりします。

 

「人参湯」は、人参・白朮・乾姜・甘草の4種類の生薬で構成されます。

お腹を温める乾姜と、

胃腸の働きを良くする人参・白朮・甘草との配合、

つまり温めながら消化器の機能を回復させる薬となっています。

煎じるのであれば、

冷えが強ければ乾姜を、

水様便が強ければ白朮を多めにするなどが考えられます。

 

「人参湯」は甘草の配合量が多い方剤ですので、長期で服用するときや、他の漢方薬と併用するときは、注意が必要です。

 

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「五苓散」や「真武湯」も下痢のときに使う方剤ですが、

尿量が多いときに使う「人参湯」に対して、

「五苓散」や「真武湯」が適する下痢のときは、水分が過剰に体に蓄積されている状態があって、症状として尿量の減少がみられますので、ちょっと違ってきます。

 

補足として

下痢には冷えによるものの他にも、
感染症によるもの
食べ過ぎによるもの
ストレスによるもの
胃腸虚弱によるもの
などもあり、
それぞれ使われる漢方薬も違ってきます。

 

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