青竜とは

古代中国の神話によると、

4つの方角はそれぞれ四神(伝説上の動物)によって守られています。

南の朱雀(すざく)・西の白虎(びゃっこ)・北の玄武(げんぶ)、そして東の青竜(せいりゅう)です。

五行説にあてはめてみると

青竜・青・春・東

白虎・白・秋・西

朱雀・赤・夏・南

玄武・黒・冬・北

という関係にあり、そして、真ん中には

麒麟・黄・土用がおかれます。

※この時代の青色は現代でいうブルーではなく、実際の色は蒼~緑だと考えられます。

 

「青竜」の名をもつ漢方薬

青竜の名前をもっている漢方薬には、「大青竜湯」(だいせいりゅうとう)「小青竜湯」(しょうせいりゅうとう)があります。

2つとも、「麻黄湯」(まおうとう)をベースに作られた処方で、

麻黄が主薬として配合されています。

 

少し色的には混乱する話ですが、

麻黄の根の色は黄色なので、生薬名は麻

しかし薬用部位である地上茎の色は緑色(つまり青色)をしているので、

青竜の名前があてられたという説があります。

 

「竜」という生き物は、湖や池、河川などの水中に棲み、

春に陽の気が上へ向かうように天へと昇り

雲をおこし、恵の雨を降らせる。つまり天と地、両方の「水」に関わっている・・・

というようなことに意味がどのくらいあるのか定かではないのですが、

「大青竜湯」と「小青竜湯」ともに、「水」と、とても関係の深い漢方薬です。

 

 

大青竜湯

「麻黄湯」の麻黄と甘草の量を倍に増やして、石膏・生姜・大棗を加えたものになります。

大青竜湯=麻黄湯(麻黄増量・甘草増量)+石膏+生姜・大棗

 

『傷寒論』では、

悪寒・発熱・身体痛があって、発汗させるべきなのに、なかなか汗が出ず、

熱が発散されないので、体内に熱がこもって煩躁状態にあるときに使うとされています。

「麻黄湯」がそもそも発汗作用の強い漢方薬ですが、

「大青竜湯」はさらに発汗作用が強められています。

麻黄で発汗作用を強めて、石膏で熱を冷まします。

生姜は、桂枝の作用を助けるため、

大棗は、石膏による胃腸障害を防ぐために加えられたと考えられます。

ただし当然、麻黄の量も多いので、

小児、胃腸虚弱者、高齢者、特に心臓や腎臓に疾患のある人、

または通常の使い方としてもあまり連用すべき方剤ではありません。

 

小青竜湯

麻黄湯ベースで考えると、

小青竜湯=麻黄湯-杏仁+(乾姜・細辛・半夏・五味子・芍薬)となります。

 

体質的に、肺や胃に、余分な水(痰飲・寒飲)が存在しており、

冷たい食べ物を胃に入れたり、

冷たい空気を肺に吸い込んだり

皮膚を寒邪に侵されたりしたことをきっかけにして

余分な水が上から溢れてくるようにして

水っぽい鼻水、痰、咳、となって表れた状態に使います。

余分な水分を除去するために発散性の生薬を中心にした構成で、

弊害を防ぐために収斂性の五味子と芍薬も配合されています。

これもやはり麻黄剤ですので、

高齢者、高血圧・心疾患のある方は注意が必要ですし、

胃腸障害や不眠、排尿障害などの副作用が起こることがあります。

「小青竜湯」の押さえておくべき効果と副作用

 

病態としては

大青竜湯は、体表の(強い)寒邪と、体内にこもった熱

小青竜湯は、体表の寒邪と、体内の余分な水

という違いがあります。

 

竜という生き物の伝説と絡めて説明しようとすれば、

大青竜は、天から雨を降らせる⇒汗をかかせて治す

小青竜は、大地の湖などの水を支配する⇒体内の水を捌いて治す

ということかもしれません。

参考⇒わかる・使える漢方方剤学 (経方篇1)

 

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