苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)

まず、苓甘姜味辛夏仁湯のおはなし。

苓甘五味姜辛湯
苓甘姜味辛夏湯
苓甘姜味辛夏仁湯
苓甘姜味辛夏仁黄湯

と、並べて書いたら間違い探し?みたいですけど

全て『金匱要略』に載っています。

寒痰証に使う方剤の仲間です。

痰飲から発生する咳嗽に使います。

桂枝は使わずに、乾姜・細辛を使ってあたためる方剤として「苓甘五味姜辛湯」

そこに痰を除く半夏を加えたのが「苓甘姜味辛湯」

さらに咳を鎮める杏仁を加えて「苓甘姜味辛夏湯」

熱性の生薬が多いので寒性の大黄を加えたのが「苓甘姜味辛夏仁湯」

その中でエキス製剤として存在するのが、3番目の「苓甘姜味辛夏仁湯」です。

 

草・乾・五子・細・半・杏から一文字ずつ使った名前、

構成生薬は特別覚えなくて済みます。

 

 

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)の代用品?

苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)は、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)の代用としての使われ方がよく知られています。

というのは、

「苓甘姜味辛夏仁湯」
=「小青竜湯」-(麻黄・桂枝・芍薬)+(杏仁・茯苓)

という関係になっているからです。

悪寒や発熱がない場合や、

麻黄の副作用を避けたい、など

「小青竜湯」を使いたいところだけど、麻黄・桂枝が含まれていない方剤がいい、

というときに「苓甘姜味辛夏仁湯」が選択されることがあります。

悪寒・発熱の表証メインではなく、裏の虚寒に対しての方剤になるので

「小青竜湯」の裏処方と呼ばれることもあります。

漢方薬の番号が、「小青竜湯」の19番に対して

「苓甘姜味辛夏仁湯」が119番ということでも関係性を意識してしまうところです。

 

【第2類医薬品】苓甘姜味辛夏仁湯エキス 細粒 2g×12包

 

苓甘姜味辛夏仁湯と小青竜湯の違い

「苓甘姜味辛夏仁湯」にも

乾姜細辛など、温める生薬が入っていますので

小青竜湯と同様、冷えることで症状が悪化するときに適します。

鼻水、アレルギー性鼻炎にも使われます。

「苓甘姜味辛夏仁湯」の場合は、半夏・五味子に加え

杏仁・茯苓の作用が加わりますので、

「小青竜湯」よりも痰を抑え、咳を鎮める効果が強化されています。

そしてやはり、麻黄が含まれていないという点で、

「小青竜湯」に比べると、胃腸虚弱者や高齢者でも使いやすくなります。

 

また、「苓甘姜味辛夏仁湯」には、呼吸器疾患のほか、

心臓衰弱や腎臓病への適応がついています。

これは、(小青竜湯には含まれていない)茯苓・杏仁の配合によるもののようです。

やはり『金匱要略』に、胸部の苦しい症状に使う方剤で、「茯苓杏仁甘草湯」というのがあり参考になると思いますが、

詳しく知りたい方は、漢方処方解説増補改訂版 [ 矢数道明 ]などを読まれてください。

 

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