柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):SAKT

小柴胡湯」と「桂枝湯」とを合わせた処方。(小柴胡湯合桂枝湯)

割合的には半分ずつではなくて、「小柴胡湯」が2/3、「桂枝湯」が1/2くらいの合方。

重点は少し「小柴胡湯」の方に寄っています。

よって、やや虚証向きの「柴胡剤」という分類になります。

また「小柴胡湯」に、桂枝と芍薬を加味した方剤、と考えることができるので

小柴胡湯の適応症状に、頭痛・発熱・悪寒(→桂枝が対応)を伴う、

もしくは、小柴胡湯の適応症状に、腹部の痛み(→芍薬が対応)を伴う場合にも適します。

医療用エキス製剤は、オースギ・クラシエ・コタロー・ジュンコウ・ツムラ・テイコク・マツウラ・三和・JPSなどがあり、

クラシエには錠剤タイプもあります。

 

 

柴胡桂枝湯の出典

傷寒論、金匱要略(3世紀)

柴胡桂枝湯を構成する生薬

柴胡(サイコ)△
黄芩(オウゴン)△
桂枝(ケイシ)◆
半夏(ハンゲ)△
生姜(ショウキョウ)△◆
芍薬(シャクヤク)◆
大棗(タイソウ)△◆
人参(ニンジン)△
甘草(カンゾウ)△◆

△小柴胡湯
◆桂枝湯

※桂枝は、エキス製剤では桂皮(ケイヒ)のことが多いです。

柴胡桂枝湯の効能・適応症状

長引いたカゼの症状(微熱、悪寒、頭痛、身体痛)

腹痛・吐き気・食欲減退などの消化器症状を伴うカゼ

発熱や悪寒が軽微なカゼ、扁桃炎、耳下腺炎、中耳炎

(ストレスによる)胃痛、腹痛

胃腸炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃酸過多症

胆のう炎、胆石、肝機能障害、すい臓炎

神経痛、関節痛、頭痛(側頭部)、肩こり

虚弱な小児・カゼを引きやすい人の体質改善

自律神経障害、不安神経症、不眠、チック、不定愁訴

  • 保険適応外の症状を含みます
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が柴胡桂枝湯で治せる、ということではありません。

柴胡桂枝湯の使用のポイント

『傷寒論』における太陽病~少陽病の合病に対する代表処方です。

「小柴胡湯」と「桂枝湯」の二つを兼ね備えるので、小柴胡湯の症状と、桂枝湯の症状と、二つの中間のような症状と、幅広い症状に用いることができます。

各生薬の配合量は少なくなるので、作用はややマイルドになっており、

明らかな「小柴胡湯」でもなくて、明らかな「桂枝湯」でもない、症状がはっきりせず迷ってしまうときでも使いやすい方剤です。

カゼをこじらせてお腹にきた、

カゼが長引いて精神的につらくなった、

風邪薬や解熱鎮痛剤を服用して胃を悪くしてかえって具合が悪くなった、等々。

その他、柴胡剤として様々なストレス性の症状にも応用されます。

腹痛に用いる場合は、

桂枝加芍薬湯」や「小建中湯」が、腹部全体が痛いことが多いのに対して、

「柴胡桂枝湯」は、胃やみぞおちのあたり(上腹部)の苦しさや痛みに使われることが多くなります。

もし腹部全体の痛みがあって「柴胡桂枝湯」の芍薬の量を増やしたいときは、「小柴胡湯」+「桂枝加芍薬湯」で代用できます。

柴胡桂枝湯の副作用・注意点

激しい症状(高熱のときや、ひどい嘔吐・下痢など)には対応しません。

「柴胡桂枝乾姜湯」とは配合生薬がだいぶ異なります。名前は似ていても代用はできません。

長期間使用する場合は、甘草の副作用に気を付けてください。

インターフェロンとの併用は禁忌ではありませんが、「小柴胡湯」と同様の注意は必要です。

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

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