「滋陰至宝湯」(じいんしほうとう)

香附子・柴胡・地骨皮・芍薬・知母・陳皮・当帰・麦門冬・白朮・茯苓・貝母・甘草・薄荷

の13種類の生薬が含まれる方剤です。

少し多いのですが、これを二段に分けてみましょう。

 

柴胡・芍薬・白朮・当帰・茯苓・甘草・薄荷、と

香附子・陳皮・麦門冬・知母・地骨皮・貝母、です。

 

そうすると、上段の柴胡・芍薬・白朮・当帰・茯苓・甘草・薄荷、というのは、

あと生姜を加えれば、「逍遙散」(しょうようさん)になります。

 

 

「逍遙散」とは

「逍遙散」の適応は、

漢方的には「肝気鬱血」といいますが、

精神的な緊張や、悩み、疲労などのストレスが原因で、

肝の気血の流れがわるくなり、様々な症状が現れてくるときに使われる方剤です。

「滋陰至宝湯」はまず、これがベースになっています。

効能書きは、[せき・たん]ですけれど、

「逍遙散」と同じく、神経症などの不定愁訴に使えるということです。

香附子陳皮も理気薬であり、肝の気血の流れを良くしストレスに対応します。

 

去痰の「二陳湯」

つぎに、

構成生薬のうち、茯苓・陳皮・甘草があるのは、「二陳湯」と共通。

「二陳湯」は去痰としての基本方剤であり、

「六君子湯」などのベースになってます。

茯苓・陳皮・甘草・白朮で、胃腸の働きを高めます。

体力がなく、胃腸の働きが弱い人に適しています。

 

まとめ

ということで、

肝気鬱血(ストレス)で、気血の流れが悪く、

また、脾虚で、気血の産生も低下している、

そのため「肺」や「心」が潤わなくなり、

熱をもち、乾いて痰が濃くなり、咳がでる、という状況。

 

そこで、呼吸器を潤して、肺の熱を冷やすため、麦門冬・知母・地骨皮・貝母などが加味されているのが、

「滋陰至宝湯」です。

 

精神面をフォローしている方剤ですので、

例えば、イライラが続いていることで、咳も長引いている人とか、

例えば、静かで緊張感のある場にいて、

いま咳が出てしまうと困るな、と思えば思う程、

のどの痰が気になりだして咳き込んでしまう、というような人にも良いかもしれません。

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