「排膿散及湯」(はいのうさんきゅうとう)は、排膿散(はいのうさん)と排膿湯(はいのうとう)を合わせた処方です。

『金匱要略』にある2つの「排膿散」・「排膿湯」を、日本(江戸時代)の吉益東洞が合方して使い始めたと言われています。

排膿という処方名の通り、化膿症に用います。

いわゆる「できもの」「おでき」の治療薬となります。

 

 

排膿湯・・・桔梗・甘草・生姜・大棗です。

桔梗+甘草は、「桔梗湯」(ききょうとう)であり、それに生姜・大棗を加えたものです。

桔梗湯と同じく、化膿や炎症に用いることができ、

生姜・大棗で胃腸の消化吸収をフォローしています。

原典では一緒に卵黄を飲むことになっています。

皮膚の症状に胃腸の働きと栄養状態が 関わっていることを昔の人も知っていたようです。

 

排膿散・・・桔梗・芍薬(赤芍)・枳実です。

桔梗の消炎、排膿作用に、

芍薬で鎮痛、抗炎症効果を強化して、枳実で消化吸収を促進しています。

 

2つを合わせたら

排膿散及湯・・・桔梗・甘草(生)・枳実・芍薬(赤)・生姜・大棗となります。

皮膚の患部が赤く腫れて、痛みがあり、化膿しているときに適します。

ただし、冷やす作用のある清熱薬は配合されていませんので、

患部の熱感が強い場合は、「黄連解毒湯」などの併用が必要になります。

 

歯科でも歯槽膿漏などに使われることがあります。

 

甘草が含まれるため、長期に服用する場合は甘草の副作用に注意して下さい。

 

余談

排膿散及湯の構成生薬を分かりやすく覚えようとすれば

「桂枝湯」は桂枝・芍薬(白)・甘草(炙)・生姜・大棗であり、

桂枝湯の桂枝を、桔梗・枳実に入れ替えた処方と似ています。

単純に言えば、桂枝湯における桂枝の発汗作用を、桔梗の排膿作用に変えたような感じ。(実際の効果はそんなに単純じゃないと思いますが)

 

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