越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう):EPTJ

風水に対する代表処方である「越婢湯」(えっぴとう)に朮(蒼朮または白朮)を加えたものです。

(風水とは:何らかの急性の炎症、アレルギー、アナフィラキシーなどにより、発熱や悪寒とともに突発性の浮腫が生じた状態)

「麻杏甘石湯」と同様に、[麻黄+石膏]の組み合わせが特徴の処方です。

医療用エキス製剤には、JPS・コタロー・ツムラがあります。

 

 

越婢加朮湯の出典

金匱要略(3世紀)

越婢加朮湯を構成する生薬

麻黄(マオウ)
甘草(カンゾウ)
石膏(セッコウ)
生姜(ショウキョウ)
大棗(タイソウ)
蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)※

※医療用エキス製剤では蒼朮が使われていますが、市販薬では白朮のものがあります。
(金匱要略では、蒼朮と白朮の区別なく「朮」としています。)

越婢加朮湯の効能・適応症状

腎炎、ネフローゼ症候群、浮腫(むくみ)

関節リウマチ、関節炎、変形性膝関節症、神経痛、脚気(の浮腫)、線維筋痛症

湿疹、蕁麻疹、鼻アレルギー、気管支喘息、花粉症、

急性結膜炎、フリクテン結膜炎、角膜炎、麦粒腫(ものもらい)、翼状片

夜尿症、頻尿または尿量減少

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)などの眼球突出、緑内障

  • 保険適応外の症状を含みます。
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が越婢加朮湯で治せる、ということではありません。

越婢加朮湯の使用ポイント

炎症を鎮める効果と、利水により浮腫や腫脹を治す効果が期待できる方剤です。

熱感や発赤のある、炎症性の浮腫に対して使う処方となっています。

浮腫(水滞)や尿量減少などの水代謝の異常がみられ、発作性・突発性のアレルギーや炎症がある場合に応用されます。

体の余分な水が尿から排泄されるので、服用後に尿量が増えることがあります。

越婢加朮湯に附子(ブシ)を加えたものは「越婢加朮附湯」(えっぴかじゅつぶとう)です。冷えや痛みが強い場合に附子が加えられます。

蒼朮と白朮についてはどちらが良いということはありませんが、一般的には、燥湿の働きを期待するときは蒼朮が、補脾作用を期待するときは白朮が適します。

越婢加朮湯の副作用・注意点

麻黄・石膏により、胃部不快感、食欲不振が現れることがあります。

もともと胃腸が弱い、食欲がない、体力がない人には使えません。

他の麻黄剤と比べても特に麻黄の配合量が多い方剤ですので、麻黄による副作用(動悸、不眠、発汗など)に十分、気を付ける必要があります。狭心症などの心疾患のある方の使用は要注意です。

どちらかというと突発性の症状に使われる方剤であり、漫然と長期使用するのは避けて下さい。

妊婦さんや高齢者は慎重に使う必要があります。

流産のおそれがある場合は禁忌とされます。

越婢加朮湯の医療用エキス製剤で、変形性膝関節症の適応症がついているのは、JPSのものだけです。

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

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