逆流性食道炎の治療薬

逆流性食道炎は、胃液や胃の内容物が食道に逆流する疾患です。

酸っぱい液が上がってくる不快感、げっぷ、胸やけ、強い胃酸によって食道の炎症が引き起こされます。

治療薬は、現在はPPI(プロトンポンプインヒビター)が主流です。

胃酸が分泌されるプロトンポンプ(胃壁の酸が作られるところ)を直接阻害して、胃酸の分泌を抑制する薬です。

オメプラゾール(オメプラール・オメプラゾン)
ランソプラゾール(タケプロン)
ラベプラゾール(パリエット)
エソメプラゾール(ネキシウム)
ボノプラザン(タケキャブ)などです。

胃酸が減れば、逆流する胃酸は減り、食道への傷害が避けられるということです。

確実に胃酸の過剰な分泌が抑えられるので、効果がきちんと現れます。

しかし、

胃酸は皆同じように分泌されるとして、

それでも胃酸が逆流しない人と、逆流してしまう人がいる、という違いがあるのだとすれば、

逆流性食道炎になる人には、なぜ逆流するような現象が起きるのか、と考えるのが適切であり、

とりあえず胃酸の量を減らしておけばいいだろう、というのはあまり根本的な解決にはなっていないと言えます。

実際に、PPIは長期的に処方されていることも多く、その場合、「再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎に対する維持療法」ということで使われています。

PPIは、強い酸を減らして食道炎は治せるけど、胃の内容物が逆流することは治せないのです。

 

 

逆流性食道炎に使われる漢方薬

漢方薬では、逆流性食道炎に対して、

たとえば「茯苓飲」(ぶくりょういん)が使われます。

「茯苓飲」は、胃の溜飲症に対する代表的な方剤です。

溜飲、つまり、不消化の飲食物が胃に留まっていて、酸性の胃液が喉まで上がってくる症状に使う薬です。

PPIのように胃酸の量を減らすだけではなくて、

胃内容物の逆流を防ぐという、より直接的な作用を持っているようです。

 

茯苓飲の構成は、人参・白朮(または蒼朮)・茯苓・枳実・陳皮・生姜です。

 

逆流を防ぐためには、

食道→胃→十二指腸へと、飲食物の流れを正常化させる、という目的で

枳実と陳皮が配合されていることがポイントとなります。

枳実と陳皮は、胃から十二指腸へつながる幽門を開き、飲食物の幽門の通過をスムーズにして、胃の停滞感を改善します。

げっぷや、胃酸過多、膨満感なども解消されます。

さらに、

利水薬である茯苓と白朮が配合されていて、

喉まで上がってくる胃内の余分な水(胃液)を除きます。

あと人参が入っていますので、補助的に、胃腸のはたらき(消化吸収)の低下を防いでいます。

 

一元製薬 茯苓飲350錠 (ぶくりょういん ブクリョウイン)【第2類医薬品】

 

精神的ストレスがある、吐き気がある、喉の異物感がある、という場合は

半夏を加える意味で、

「茯苓飲合半夏厚朴湯」(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)が使われることもあります。


「ギャクリア」という薬は、いかにも逆流性食道炎に効きそうなパッケージとネーミングをしていますが、

これの中身は「六君子湯」(りっくんしとう)です。

「六君子湯」は、脾気虚の人の薬、つまり胃腸の弱い人が、胃腸の機能を高めるために使う薬なので、

食道に対しての効果、炎症に対する効果などは、茯苓飲に比べるともう少し間接的であるような気がします。

胃腸の弱い人が、胃腸の機能を高め、食道炎を改善するためには、長期的な服用が必要かもしれません。

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