「釣藤散」(ちょうとうさん)は、胃腸が弱っていて、

慢性的に肩こり・めまい・耳鳴り・頭痛・頭重感がある人に用いられています。

 

「釣藤散」の構成生薬は、

釣藤鈎・半夏・麦門冬・茯苓・人参・防風・菊花・甘草・生姜・石膏・陳皮ですが

並べただけでは分かりにくいので下のように2つに分けてみます。

①釣藤鈎・石膏・防風・菊花・麦門冬

②半夏・茯苓・陳皮・甘草・生姜・人参

 

 

まず①釣藤鈎・石膏・防風・菊花・麦門冬

主薬は、処方名にもなっている釣藤鈎(チョウトウコウ)。

「抑肝散」(よくかんさん)に入っている生薬としても有名でありますが、

精神的な異常な興奮を調節する作用のある生薬です。

 

ストレスの影響を受けて、肝の気血の流れが悪化したとき、

陽気の強くなりやすい「肝」は熱を持ちはじめ、その熱が「心」の働きに影響します。

血圧が上がったり、「心」による精神のコントロールができず、

イライラしやすい、精神不安、取越し苦労をする、抑うつ、不眠というような症状がでるおそれがあります。

釣藤鈎のほか、石膏(セッコウ)は冷やす、麦門冬(バクモンドウ)は潤すことで熱を鎮静します。

 

肝で発生した熱気が上昇する様子を「内風」という風が起こると表現します。風は頭を揺らして、ふらつき・めまいを起こします。

防風(ボウフウ)や菊花(キクカ)は、鎮痛効果だけでなく、この風を妨げると考えられています。

菊花は、目の充血や、目の痛みにも効果があります。

 

つぎに②半夏・茯苓・陳皮・甘草・生姜・人参

この構成は「二陳湯」(にちんとう)+人参です。

(白朮と大棗を足せば「六君子湯」(りっくんしとう)です。)

「二陳湯」は、痰湿に対する基本処方。

釣藤散の中には、「二陳湯」の要素が含まれます。

 

胃腸の働きがもともと悪い、または、ストレスが胃に影響して、消化吸収機能が低下した場合、

胃に痰飲が停滞しやすい状況にあります。

 

この痰飲の存在のため

上昇する熱気(内風)が

滞った水から発生する(痰)「湿」をからめて頭部に上がってきます。

「釣藤散」はこういう状況を想定しています。

よって

単なるキリキリした頭痛ではなくて、

のぼせあがるような気の上衝があり、

さらに「湿」による慢性的な、めまい、耳鳴り、首筋や肩のこり、頭重感をともなうような場合に適する方剤となります。

 

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