地黄の種類

地黄(じおう)は、ゴマノハグサ科のアカヤジオウあるいはカイケイジオウの根の部分。

肥大して丸みのある形をした根であります。

地黄のうち、新鮮なもの、砂や土の中に保存したものを「鮮生地(鮮地黄)」といい、火力乾燥させたものを「乾生地(乾地黄)」といいます。中国では乾燥したものを「生地黄」というようです。

熟地黄」とは、乾地黄を酒で蒸して日干しするという作業を繰り返して熟成させたものです。外面は漆黒色になります。

さらに熟地黄を炒って炭化させたものを「熟地炭」といいます。

 

地黄は加工の仕方の違いで、効能が少しずつ変わってきます。

 
中医臨床のための中薬学新装版

 

地黄の効能

一般に「地黄」の性味は、甘くて後に苦みがある、寒性の薬です。

清熱涼血・滋陰生津の効能をもちます。

熱感を伴う出血(鼻血、血尿、性器出血など)のときや、

喉や唇の渇き、糖尿病のときのような口渇、多尿に使えることになります。

比較的に「鮮地黄」の方が、苦みが強く、寒性が強いため、清熱涼血の方に適すると言われ、

乾地黄」の方が、甘みが強く、滋陰と養血に適すると言われます。

滋陰剤(津液を補う処方)としては、「滋陰降下湯」(じいんこうかとう)など、

養血剤(血を補う処方)としては、「四物湯」(しもつとう)関連のものに配合されています。

 

 

熟地黄について

一方、熟成させた「熟地黄」の性味は、甘くて、微温性に変化しています。

滋陰と補血の効能をもちます。さらに、生精補髄生骨し、補益肝腎に働くと言われます。

つまり、血(けつ)の不足によるめまい、ふらつき、月経不順、

だけでなく、足腰の重だるさ、寝汗、体の芯からの熱感、耳鳴り、健忘などにも優れる薬となります。

これを踏まえると、血虚の症状が強いときに使う処方や、

例えば六味丸(六味地黄丸)のように腎陰虚に使いたい処方では、

地黄はやはり「熟地黄」の方が妥当ということになります。

 

ただし、日本では、「乾地黄」、「熟地黄」ともに存在していますが、あまり区別せず使われています。

一般にエキス製剤に使われている地黄は「乾地黄」であり、通常「ジオウ」とだけ表記しているものは「乾地黄」と考えられます。

 

ちなみに「熟地炭」は止血作用をもつようです。

 

付け加えますが、地黄は胃腸障害(下痢、食欲不振、胃もたれ、膨満感など)が起こりやすい生薬です。下痢や軟便のときは、服薬を止めておいた方がいいです。

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