問題

生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1  トウニンは、エビスグサの種子由来の生薬で、駆瘀血薬として用いられる。
2  ニンジンは、オタネニンジンの根由来の生薬で、補気薬として用いられる。
3  トウキは、トウキまたはホッカイトウキの根由来の生薬で、理気薬として用いられる。
4  ブクリョウは、マツホドの菌核由来の生薬で、利水薬として用いられる。
5  チンピは、ウンシュウミカンの成熟した果皮由来の生薬で、補血薬として用いられる。

 

薬剤師国家試験からの問題です。

実践問題の方は、応用力が問われるものが多くなってきていますが、

生薬の知識を問うこのあたりの問題は、勉強をきちんとしている人にとっては、

確実に得点源となる割とストレートな問題ではないでしょうか。

 

 

解説

1 トウニン(桃仁)

漢字で「桃仁」と書くことさえ知っていれば間違えようがないと思います。

「桃」の種ですから、エビスグサではありません。「☓」です。

「桂枝茯苓丸」(けいしぶくりょうがん)や「桃核承気湯」(とうかくじょうきとう)などの駆瘀血剤に、ずばり駆瘀血薬として配合されています。

エビスグサの種子は「ケツメイシ」(決明子)といいます。

 

2 ニンジン(人参)

朝鮮人参、高麗人参、薬用人参など呼び方は様々ありますが、

幕府から分けて頂いたありがたい種を使って栽培をしたことから「御種」人参(オタネニンジン)という名前にもなっています。

「六君子湯」(りっくんしとう)や「補中益気湯」(ほちゅうえっきとう)などに配合されています。

消化器の機能を高める目的で配合され、疲れやすい、気力がないなどのときに用いられます。

つまり補気作用を持つので「〇」。

 

3 トウキ(当帰)

関西地方で栽培されるニホントウキ、または北海道で栽培されるホッカイトウキの根。

セリ科特有の芳香があります。

「四物湯」(しもつとう)をはじめとして「当帰芍薬散」(とうきしゃくやくさん)など、血虚に使う方剤に配合されています。

補血がメインの生薬で、活血・調経・止痛などの働きもありますけど、理気薬は「☓」です。

 

4 ブクリョウ(茯苓)

マツホドの菌核(菌糸の塊)です。

チョレイ(猪苓)と同じサルノコシカケ科で、いわゆるキノコの仲間。

チョレイに比べ、ブクリョウは利水だけでなく、胃腸の働きを良くする効果なども期待できる生薬です。

しかし「五苓散」(ごれいさん)や「猪苓湯」(ちょれいとう)など利水剤には、主に利水薬として用いられていると考えられます。よって「〇」。

 

5 チンピ(陳皮)

ウンシュウミカンの成熟した果皮です。

「陳」は「陳列」や「陳腐」の陳。陳皮は、並べて置いて古くなった皮、という意味があります。

成熟した柑橘系の精油成分の香りを想像してみれば、リフレッシュ効果、つまり理気作用が相応しいと思われます。

「香蘇散」(こうそさん)や「六君子湯」(りっくんしとう)などに配合されています。補血薬というのは「☓」です。

 

ということで正解(正しいもの)は、2と4です。

 

生薬単―語源から覚える植物学・生薬学名単語集

 

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