31番 「呉茱萸湯」(ごしゅゆとう)
32番 「人参湯」(にんじんとう)

 

「呉茱萸湯」は、人参・生姜・大棗・呉茱萸

「人参湯」には、人参・乾姜・白朮・甘草

 

違いの前にまずは共通点から書きます。

原典は『傷寒論』。

4つの生薬で構成されていて、

人参と生姜(乾姜)が使われています。

脾の働きを高める人参と、温める生姜・乾姜です。

両方とも冷えのある人に対して、お腹を温めることを期待できる方剤です。

虚証で、冷え症、

または、お腹を冷やして調子が悪くなる人に使われます。

 

 

では、違いについて、

「呉茱萸湯」の効果

大きな違いは、当たり前ですが、「呉茱萸湯」には、呉茱萸(ゴシュユ)が入ります。

ミカン科の落葉低木、3~5mm程の紫赤色の実です。

 

お腹の冷えが、経絡に沿って上がり、頭部(側頭部)におよんで、頭痛(片頭痛)となるとき。

呉茱萸は、厥陰肝経を温める主薬であり、寒気の上昇を下降させて、痛みをとめます。

また、呉茱萸と生姜は、制吐作用をもちます。

胃が冷えたとき、つばが多くなる、吐き気がするときに適します。

大棗は、胃腸の働きを助けるとともに、呉茱萸と生姜の刺激性を緩和します。

 

「人参湯」の効果

「人参湯」には、白朮が入ります。

白朮は、胃腸の働きを助けるとともに、利水効果によって、

下痢を和らげます。

甘草は、腹痛を抑えるのと、乾姜の刺激性を緩和する目的があります。

 

以上を簡単にまとめるとすれば、

お腹の冷えが上って頭痛→「呉茱萸湯」

お腹の冷えが下って下痢→「人参湯」

です。

 

あと、違うことといえば、味は全然違います。

呉茱萸湯には、大棗という甘い生薬が入っていながら、呉茱萸が入っているので非常に苦いです。

エキス製剤だとそのまま水や白湯で一気に飲みやすいのですが、

お腹は冷やさない方がいいので、冷たい水をたくさん飲んで服用するのは避けた方がいいです。

(吐き気のあるときは、冷たい方が飲みやすいと思いますが、少量ずつで構いません)

 

呉茱萸湯が苦くて服用できないときなど

冷えが原因の頭痛であれば、「人参湯」でも効果のあることがあります。

その場合、もしあれば「人参湯」に桂枝を加えた「桂枝人参湯」(けいしにんじんとう)の方がより適します。

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