陽虚の薬

「人参湯」(にんじんとう)が、人参を主薬とした、

「脾」の陽虚に対する薬とすれば、

「真武湯」(しんぶとう)は、附子(ブシ)を主薬とする

「腎」の陽虚の薬となります。

陽虚による冷え(虚寒)と、

陽虚による浮腫(水滞)に対する代表的な処方です。

 

真武湯の構成は、附子・茯苓・白朮・芍薬・甘草でなっています。

『傷寒論』の処方であり、別名「温陽利水湯」といいます。

 

 

かんたんに陽虚とは

まず虚証のうち、気虚と陽虚は、いずれも陽気が不足した状態です。

気虚は、一般的に、元気がない、疲れやすい、などのことで、

陽虚の場合は、気虚の程度はさらにすすみ、

寒がる、冷える、寒冷を嫌い、温暖を好む、という寒証が加わる状態です。

エネルギー代謝の衰えや、臓腑の機能低下、循環不良などが原因だと考えられます。

 

附子は、新陳代謝(エネルギー代謝)の衰えによる冷えを改善します。

体力の低下した虚弱な人で、

疲れやすい、元気がない、

冷え、寒がり、

などというのは、一般的に陽虚の症状で、高齢になるほどその症状がみられます。

附子は全身のエネルギー代謝を促進し、生姜とともに身体を温めます。

 

身体の機能の低下に伴い、

水の循環が悪くなり、

むくみ(特に下半身)がでたり、

下痢しやすい、

めまい感、ふらつき感(動揺感)、など

水滞(水毒)の症状がみられることがあります。

 

コラム⇒冷え症を改善する、漢方薬の選び方【代表的な漢方薬7選】

コラム⇒【めまいには漢方薬が効く?】症状・原因別おすすめ漢方薬②

 

附子は、

新陳代謝を高め、エネルギー代謝を促進し温め、

さらに全身機能を補い、血流を促進し、低下した利尿の働きを助けます。

そこへ茯苓・白朮が加わり、消化管や組織の過剰な水もさばき、水滞の症状も改善します。

(※「真武湯」の名前の由来は、水をつかさどる神である「玄武」からきています。)

 

芍薬は、陰を補う生薬で、この場合、発汗や利水により陰液が失われないようにする役目があります。

 

ということで、「真武湯」は、冷えと、冷えて起こる浮腫や下痢に効果が期待できます。

 

※腎陽虚(冷え)による下痢は、消化不良による下痢であり、

冷えるほど下痢はひどくなる傾向があり、

明け方に下痢をすることが多いとされています。

  関連コンテンツ

スポンサーリンク