体力が消耗していて眠れない

疲れすぎて、睡眠の機能までが低下して、

疲れているのにかえって眠れないことがあります。

もともとの体力のない人に多い不眠です。

「虚労」タイプともいいますが、加齢により症状が出やすくなります。

眠るための体力がない、ともいえます。

 

心身ともに疲労してしまうと、夜になっても精神が休まらず、

不安感や胸騒ぎがして、気分が落ちつかず、

ちょっとしたことも気にかかるようになり眠れません。

また眠れたとしても、眠りが浅く、

夢をよくみたり、すぐ目が覚めたり、十分な睡眠がとれません。

 

簡単に言ってしまえば、

脳の神経の興奮状態を鎮められないでいるために起こる不眠です。

 

 

精神の不安定な状態・・・「心」の問題

不眠の症状、寝つきが悪い、よく目が覚める、夢をよく見る、などは

五臓のうち「心」の不調によって起こるものだと考えられます。

東洋医学的な「心」は意識・思考・精神の状態を管理している臓です。

過度の疲労や、栄養不良により、

心(しん)の変調が起こると、

心臓だけでなく、こころの状態も悪くなります。

精神の不安定を招きます。

つまり夜になっても落ちつかず、精神が休まらないので不眠になります。

 

「酸棗仁湯」(さんそうにんとう)

このようなときの不眠に使える代表的な漢方薬として

「酸棗仁湯」(さんそうにんとう)があります。

心血や肝血の不足、

心や肝の虚熱による煩躁に使われる代表的な方剤です。

『金匱要略』にもそのまま書かれています。

「虚労し、虚煩して眠れないときは、酸棗仁湯である」と。

 

イライラや焦燥感、のどや口の渇き、ほてり、寝汗などの熱証をともなう不眠に使われます。

 

中枢神経を抑制し、鎮静、催眠作用を現し、精神不安を改善できる、酸棗仁(さんそうにん)という生薬を主薬としています。

その他、知母、茯苓、川芎など鎮静的に働く生薬で構成されています。

酸棗仁は、肝の血を補います。

川芎は、肝の血の流れを良くします。

知母は、肝の熱の冷やします。

「肝の血」により「心」は養われており、これらのはたらきによって、興奮をしずめます。

茯苓は、酸棗仁とともに精神を安定させるはたらきがあります。

 

「肝」と「心」の関係(肝血虚証・心肝血虚証)の記事もご参考に。

 

心血虚では不眠のほかに、

驚きやすい、不安感、健忘、めまい、頭がふらつく、動悸

などの症状として現れることもあります。

 

 【第2類医薬品】小林製薬 漢方ナイトミン ←これも「酸棗仁湯」です。

西洋薬に比べると、即効的に効くものではないかもしれません。

 

※酸棗仁には少し瀉下作用もあるので、下痢しやすい人は注意してください。

 

ちなみに・・・

西洋薬の睡眠薬などにはない、漢方薬のおもしろいところですが、

「酸棗仁湯」(さんそうにんとう)は、睡眠薬ではなく、睡眠を正常な状態に安定させる薬であり、

眠れない場合だけでなく、

眠り過ぎ、昼間も眠くて眠くて仕方がない、という場合にも使われることがあります。

 

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