柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):SRB

小柴胡湯」の加減方のひとつ。

「小柴胡湯」の甘草を除いて、桂枝・大黄・茯苓・竜骨・牡蛎を加えた方剤です。

体表の邪を外に出す桂枝、腸内の熱や便を外に出す大黄、尿を外に出す茯苓、を加える一方で

全体の作用を緩和させる甘草が除かれています。

つまり体内の悪いものを素早く外に追い出そうとする構成になっています。

よって小柴胡湯に比べやや実証向きの「柴胡剤」と言えます。

そして、竜骨・牡蛎・茯苓・大黄にはいずれも精神を安定させる作用があります。

『傷寒論』においては元々、

カゼが長引いた際に、小柴胡湯などを用いるべきところ誤った薬で治療をしてしまい、精神神経症状が現れた状態に対処するための方剤として記されているのですが、

現在ではこのような使われ方はすることはほとんどなく、

もっぱら、ストレスからくる様々な症状に対して応用されています。

医療用エキス製剤は、オースギ・クラシエ・コタロー・ジュンコウ・ツムラ・テイコク・マツウラ・太虎堂・本草・JPSなどから多数出ています。

クラシエには錠剤タイプもあります。

 

 

柴胡加竜骨牡蛎湯の出典

傷寒論(3世紀)

柴胡加竜骨牡蛎湯を構成する生薬

柴胡(サイコ)
黄芩(オウゴン)
半夏(ハンゲ)
生姜(ショウキョウ)
大棗(タイソウ)
人参(ニンジン)
桂枝(ケイシ)※
茯苓(ブクリョウ)
竜骨(リュウコツ)
牡蛎(ボレイ)
大黄(ダイオウ)※※

※桂枝は、エキス製剤では桂皮(ケイヒ)のことが多いです。
※※大黄を配合していないメーカーのものがあります。
※※※原典ではさらに鉛丹(エンタン:鉛の酸化物)が配合されていますが現在は毒性を考慮して使われていません。

柴胡加竜骨牡蛎湯の効能・適応症状

(ストレスや緊張による)不眠、夢を見て飛び起きる、不安、動悸(神経性心悸亢進症)、不整脈(頻脈)、多汗、手汗、イライラ、神経衰弱、驚きやすい

神経症(不安神経症、強迫神経症、対人恐怖症など)、統合失調症

自律神経失調症、円形脱毛症、インポテンツ(ED、陰萎)、うつ、ノイローゼ

小児の夜泣き、ヒステリー、てんかん、更年期障害、血の道症

高血圧症、動脈硬化症、便秘、慢性胃炎

腎臓病

  • 保険適応外の症状を含みます
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が柴胡加竜骨牡蛎湯で治せる、ということではありません。

柴胡加竜骨牡蛎湯の使用のポイント

ストレスや緊張によると思われる過興奮などの精神症状、またその随伴症状に広く用いられます。

子供、受験生、サラリーマン、更年期の方、高齢者まで年齢的にも幅広く用いられています。

あまり怒りをストレートに表現するタイプではなく、例えば職場では紳士的で、一見元気そうだけど、実はストレスを溜めこんで苛立っている、というようなタイプの人です。

神経がピリピリと過敏になっていて、眠れず、ちょっとした物音でも驚きやすい、冷や汗がでる、手足がふるえる、等の症状にも使われます。

西洋医学的な睡眠剤、安定剤、抗うつ薬、降圧剤とは異なり、過度に眠くなったり、過度に血圧が下がったりの心配が少なく、西洋薬に併用する形で使うことも可能です。

大黄は便秘改善のためではなく、精神安定作用を期待して配合されています。イライラ等を抑えたときには、大黄が入っているメーカーのものの方がより効果的です。

柴胡加竜骨牡蛎湯の副作用・注意点

これで下痢をしてしまう場合は、大黄の含まれていないメーカーのものを使うか、「柴胡桂枝乾姜湯」をお試しください。

また、あまり体力のない虚証の場合も「柴胡桂枝乾姜湯」の方が適します。

高血圧や動悸、不整脈などに対しては、西洋医学的な治療を優先すべきときもあります。医療機関で定期的に検査も受けましょう。

インターフェロンとの併用は禁忌ではありませんが、「小柴胡湯」と同様の注意が必要です。

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

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