血の不足とは

まず、ある解説本などによると、

東洋医学の「血」(けつ)は

「血液」とほぼイコールと考えていい、と書いているものもありますが、

概念的には少し異なりますので注意が必要です。

 

「血虚(けっきょ)」について

東洋医学でいう「虚」を、「不足している」の意味でとらえると

「血」(けつ)イコール「血液」であれば

「血虚」とは、血液の不足、

つまりは貧血のことと理解することもできます。

 

しかし、「血虚」の概念は、もう少し、複雑です。

というのは、

ただ単に血液の不足だけではなく、

「血(けつ)」の持つ作用の不足

という状態を含めた概念だからです。

 

具体的には

血は、栄養物質を、絶えず体のすみずみにまで運び、

全身を、養い、潤し、

生命活動に必要なものを提供します。

 

そうした働きが低下している状態を「血虚」ということができるわけです。

皮膚が乾燥し、つやが無い、

その他、不眠、多夢、健忘、または不整脈、低血圧なども血虚で起こりうる症状です。

 

例えば、出血による貧血のとき、

血漿タンパクが低下していれば、体の水分は増し、浮腫が生じることがあります。

このとき、血虚の特徴的な乾燥の症状とは、逆です。

 

 

「貧血」の原因も大事

「貧血」という病態を考えたとき、

確かに、血虚に相当することもありますが、

一部の方は、

血液そのものを造る機能が低下している

という病態も考えられます。

 

血液の原料は、もともとは、食べたり飲んだりしたものです。

食べたり飲んだりしたものを、血液とするために、消化吸収する場所は、胃腸です。

よって、

胃腸機能の低下は、血液の生成に影響します。

胃腸機能の低下は、東洋医学では「脾虚(ひきょ)」といいますが、

広い範疇では、「気虚」となります。

つまりは、

「気虚」または「脾虚」が原因の貧血

というのもあるということです。

もし、

貧血だからといって、(本当は脾虚なのに)

血を補う薬として、「補血薬」(のみ)を服用し、

たとえばその漢方薬の中に、

地黄(じおう)のような胃腸に負担をかける生薬が含まれていたら

ますます栄養状態が悪くなる

ということも起こり得るのです。

その場合、気を補う生薬が配合された漢方薬を選ぶ必要があります。

例えば「十全大補湯」(じゅうぜんたいほとう)などです。

 

他にも、「貧血」には様々な要因がありますので、

単純に「血虚」として対応できるものではないのです。

 

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