四逆散(しぎゃくさん)と四逆湯(しぎゃくとう)

ともに「四逆」という名前で、

四肢の末端の方に冷えがある場合に適応します。

が、全く異なるものなので注意しましょう。

 

 

四逆散(しぎゃくさん)

四逆散は、柴胡・枳実・芍薬・甘草からなります。

柴胡と枳実の薬なので、抑うつ感、イライラ、神経質、ヒステリーなどの、

精神神経症状の改善に用いられます。

芍薬甘草が含まれるため、ストレスからくる胃痛などにも対応します。

柴胡剤として、胸脇苦満、ストレスにより精神症状があって、かつ手足の冷えがあるときに使われます。

 

四逆湯(しぎゃくとう)

一方、四逆湯

附子・乾姜・甘草からなります。3つの生薬です。四逆の四は、四肢のことなので、生薬の数とは関係ありません。

乾姜は、内臓や四肢を温めます。

甘草は、寒冷による平滑筋の緊張を緩めます。

乾姜と甘草とで、「甘草乾姜湯」(かんぞうかんきょうとう)。

その甘草乾姜湯に附子を加えた方剤です。

身体を温め、新陳代謝を高める薬です。

手足が強く冷え、寒がり、体を縮め、不消化の下痢をするなど、

または、過度の発汗や下痢による脱水でショック状態のときに使うものです。

(ちなみに、「甘草乾姜湯」に人参と白朮を加えると「人参湯」(にんじんとう)。茯苓と白朮を加えると「苓姜朮甘湯」(りょうきょうじゅつかんとう)。いずれも冷えに対して使います。)

 

医療用エキス製剤としてあるのは、「四逆散(しぎゃくさん)」の方です。

市販には、クラシエ回陽救逆(かいようきゅうぎゃく)エキス顆粒という名前で「四逆湯」のエキス顆粒があります。

 

処方名からも分かると思いますが、

より温めたい薬の方が、「四逆」ということになります。

直接、温める生薬を配合しているのが「四逆湯」。

ストレス(肝気欝結)に対する方剤が「四逆散」。気の巡りが悪くて四肢が冷えてくるのを間接的に改善します。

 

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

また、手足の冷えや、しもやけに使う薬として有名な、

当帰四逆加呉茱萸生姜湯にも、「四逆」が入っていますが、

この処方のベースである、

当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)というのは、

当帰・桂枝・芍薬・細辛・甘草・大棗・木通であり、

これまた全然、四逆湯とは異なります。

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