肌荒れ、イボには「ヨクイニン」です。薏苡仁湯(よくいにんとう)は違います。

「ヨクイニン」と「よくいにんとう」、名前は似ていても効能が全く違いますので注意して下さい。

 

ヨクイニンとは

ヨクイニンは、イネ科のハトムギの種子です。

種皮をつけたままのものが「ハトムギ」で、

ハトムギの成熟種子の種皮を除いたものが「ヨクイニン」とされます。

ヨクイニンエキスはそのヨクイニンから成分を抽出したものになります。

 

ヨクイニンの効能

ヨクイニンには、化膿した膿(うみ)を排出させる作用(排膿作用)があります。

またサメ肌などに対して、肌を滑らかにきれいにするといわれています。

日本ではよく民間薬としてニキビやイボなどに用いられてきました。

その他、鎮痛、消炎、利尿、健胃の効果があります。

「ヨクイニンエキス」や「ヨクイニン顆粒」

または生薬としてのヨクイニンの粉末が「ヨクイニン末」などとして販売されています。

エキスの方は皮膚科で処方されたりもします。

ヨクイニン単味の薬です。

 

医療用のヨクイニンエキスの適応について

ヨクイニンはイボに効くというイメージを持っている方もいると思いますが、

イボという言い方は正確ではありません。医学的には疣贅(ゆうぜい)といいます。

その原因の多くはウイルス性です。

人のみに感染するある種のヒトパピローマウイルスが原因だということが分かっています。

ウイルス性なのですが、それに対する抗ウイルス薬みたいな特効薬がないため、現在のところ症状に応じて治療法も様々存在していて、そのうちの一つがヨクイニンエキスの内服による治療法です。

ウイルスに直接作用するのではなくて、肌のウイルスに対する抵抗力を高めるような作用だと思われます。

また全てのウイルス性疣贅にヨクイニンが使われるわけではありません。

保険適応となるのは、青年性扁平疣贅と尋常性疣贅だけです。

一般的に首いぼと言われるような老化によるイボは、ウイルス性ではありませんし、

ヨクイニンの適応ではありません。

老人性イボに対するヨクイニン単独での効果は、ほぼ認められていないです。(市販のヨクイニンの広告に、お年寄りが登場していたら、そこの会社は怪しいと思った方がいいでしょう。)

※医療機関から処方されるヨクイニンは、あくまでイボ(疣贅)の治療に使用するためです。美容目的での使用は医療保険の対象ではありません。



 

ヨクイニンの量

ヨクイニンエキスの場合は、ヨクイニン(薏苡仁)の主成分を濃縮したものになりますので、

イボや肌荒れの改善の目的で服用するエキス1回分の服用量は、

もとの生薬である薏苡仁に換算すると、

当然、一般的な漢方薬に配合される薏苡仁の量に比べ、分量は多く使われていることになります。

メーカーによって成分量の記載が、ハトムギの量、ヨクイニン末の量、ヨクイニンエキスの量など

書き方が異なると思いますので、含量を比較するときは注意して下さい。

また、ヨクイニンエキス剤は吸湿しやすく、また吸湿によって変色しやすいので、保管の際は気をつけて下さい。

 

 

そして一方、漢方薬の「薏苡仁湯」(よくいにんとう)は、

効能が全く違いますので、ご注意下さい。

 

薏苡仁湯(よくいにんとう)とは

「薏苡仁湯」は、

麻黄・甘草・桂枝・当帰・芍薬・薏苡仁・蒼朮の7種類の生薬からなる漢方処方で、

関節痛や筋肉痛に用いられています。

この場合、薏苡仁(よくいにん)は、浮腫(水滞)を改善したり、疼痛の緩和、消炎の作用を目的に配合されています。

こちらを参照下さい⇒薏苡仁湯についての解説

 

受診時も注意を

医療機関でも時々、間違えて処方されることがあるので注意しましょう。(調剤薬局ならまちがいなく疑義照会を)

関節痛にヨクイニン単味では用いませんし、肌荒れに薏苡仁湯は用いません。

薏苡仁湯には、ヨクイニンが入っているから肌にもイイのかな? という疑問が出るかもしれませんが、

肌を良くしたいなら薏苡仁湯である必要性が分かりません。

特に、薏苡仁湯には麻黄が入っていますので、体質を考慮して使われなければいけません。

 

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