「苓桂朮甘湯」(りょうけいじゅつかんとう)

めまい、ふらつき、立ちくらみが主症状という場合にファーストチョイスの「苓桂朮甘湯」(りょうけいじゅつかんとう)です。

構成生薬は、処方名の通りで、

枝・白の4種類の生薬です。

「苓朮甘湯」(りょうきょうじゅつかんとう)と一文字違いで間違いやすいので注意してください。

 

 

漢方的な水毒によるめまい

漢方では、めまいの原因の根底には、水分代謝の異常、いわゆる「水毒」があると考えます。

 

冷たい飲み物や食べ物でお腹を冷やしたとき、

または体質的に胃腸が弱い場合、

水分代謝の不調を招き、水滞(水分の偏在)ができてしまいます。

胃のあたりにある水滞は、「気」の正常な上昇を阻害するために、

体の上部に影響がでることがあります。

例えば、動悸・薄い痰の多い咳・胸の閉塞感・息切れ・悪心などが現れやすくなります。

気の巡りの悪さが、頭部にまで及ぶと、

めまい、立ちくらみ、頭痛、肩こり、耳鳴りなどが現れると考えます。

 

 

ふくろう体質

朝が極端に弱く、夜になってようやく本来の調子が出てきて、夜更かしをしやすい。

このような体質のことを、ふくろう体質ということがあります。

西洋医学的に、

自律神経の切り替えに問題が生じている場合には、起立性調節障害といいます。

ふくろう病や、フクロウ症候群、不登校病ともいわれます。

低血圧や低体温の人にみられます。

血圧が低ければ、血液を送り出す力が弱いので、上体を起こした時に、一般的にいう貧血様の症状がみられます。

上記のめまい、立ちくらみ、頭痛、肩こり、耳鳴りなども

頭部への血液の供給が不足することで起こりやすい症状です。

起き上がると気分が悪くなり、横になって休むと症状が軽減しやすいです。

学校や仕事を休みたくなるくらい脳のスイッチが入りません。

少し動いただけで動悸が起こることもあります。

 

さらに水毒であれば、

朝起きた時、顔がむくんでいたり、まぶたが腫れぼったくなっています。

天気が悪いとき、気圧が低いときに、朝起きれない症状がひどくなる傾向があります。

めまいや車酔いを起こしやすくなる、ということもあります。

 

 

「苓桂朮甘湯」の効能

「苓桂朮甘湯」には、胃腸の機能を高めて水分代謝を改善する茯苓白朮が配合されています。

桂枝は、冷えが原因で起こる水液流通不良による症状に効果があり、茯苓白朮の利水効果を強めます。

冷えや脾胃が弱いために体内に水飲が停滞している状態が基礎にあるときに適する方剤となっています。

桂枝はまた、血行を強めるはたらきで、脳への血液循環を促進しています。

 

急性のめまいで吐き気が強いときには、利水作用メインの「五苓散」(ごれいさん)が治療として使われますが、

「苓桂朮甘湯」は体質改善の目的で長く服用されることがあります。

そのときは、めまい以外の症状に応じて、他の方剤と併用されることもあります。

甘草が含まれるので副作用には注意して下さい。

また、「苓桂朮甘湯」は冷えの時に適する方剤ですので、のぼせやほてり等の熱性の症状のある時は使えません。

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