芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):SKT

「去杖湯」(きょじょうとう)という別名がついています。(脚の萎弱が治って杖を捨て去ることができる、という意味)

一般的には、こむらがえりや、足がつる時に使う薬として有名です。

『傷寒論』においても、脚の攣急している者に使う方剤として登場しますが、

現在は、脚のけいれんに限らず、さまざまな疾患に応用されています。

即効性を期待できる漢方薬としても知られ、通常は頓服で用います。

芍薬と甘草の2種類のみから構成され、

鎮痙・鎮痛の基本処方であり、多くの方剤に芍薬甘草湯の要素を見つけることができます。

医療用エキス製剤では、東洋・クラシエ・コタロー・ジュンコウ・ツムラ・テイコク・マツウラ・三和・本草などから出ています。

 

 

芍薬甘草湯の出典

傷寒論(3世紀)

芍薬甘草湯を構成する生薬

芍薬(シャクヤク)
甘草(カンゾウ)

芍薬甘草湯の効能・適応症状

急激に起こる筋肉のけいれんを伴う疼痛(有痛性限局性筋痙攣)

こむらがえり、熱中症での筋痙攣、しゃっくり(横隔膜のけいれん)

筋肉痛、関節痛、坐骨神経痛、腰痛、ぎっくり腰(キヤリ腰)、捻挫、五十肩

胃痙攣、腹痛、疝痛、生理痛、月経困難症、月経に関連して起こる尋常性ざ瘡(ニキビ)

胆石症・尿路結石の疼痛発作

ねちがい、肩こり

女性の不妊症(無排卵性不妊症、多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症など)

抗がん剤(パクリタキセル)の副作用による筋肉痛・関節痛

  • 保険適応外の症状を含みます。
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が芍薬甘草湯で治せる、ということではありません。

芍薬甘草湯の使用のポイント

芍薬・甘草ともに配合量が多く、効き目がシャープです。

筋のけいれんや、けいれん性疼痛に対して即効的な効果を期待して使います。

通常は対症療法として(鎮痛剤を使うような感じで)頓服で用います。

スポーツ(マラソンなど)や登山で、筋肉の疲労して起こる脚のけいれんにも有効ですし、

感冒時の発汗過多、胃腸炎(嘔吐・下痢)、熱射病などで、体の水分が喪失したときに起こるけいれんにも有効です。

夜間に足がつるという方は、枕元に置いておくか、または就寝前に服用しておいて下さい。

ふくらはぎ(腓腹筋)に使うのが一番有名ですが、基本的に、どこの筋肉(骨格筋や内臓平滑筋)にでも用いることができます。

月経に関連して起こる疼痛やニキビに対しては、月経前からの服用を勧められることがあります。

予防的にかつ長期的に(根本的な体質改善で)使うのであれば、他の漢方薬も考慮した方がいいと思います。

煎じる場合、甘草は炙甘草を使った方が浮腫などの副作用が起こりにくいとされています。

※不妊症や月経に関する症状に用いられているのは、女性ホルモンに対する効果が少しずつ明らかになってきているためです。

芍薬甘草湯の副作用・注意点

甘草の量が多いため、連用による偽アルドステロン症に注意が必要な漢方薬です。(浮腫・血圧上昇・脱力感など)

症状が治まったら中止して、できるだけ短期間、最小限の使用に留めた方が良いです。

他の漢方薬との併用の際は、さらに注意して下さい。

不妊症で用いる場合や、慢性的な症状に用いる場合は、長期間の服用が必要なことがあります。

明らかに「冷え」が認められる方の疼痛、寒冷刺激による疼痛には、附子を加えた「芍薬甘草附子湯」(三和)が用いられることがあります。(ただし心疾患のある方は慎重に。)

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

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