「炙甘草湯」

「炙甘草湯」の適応症の中に、不整脈や心不全などがありますが、

なにも特殊な生薬が配合されているわけではありません。

「炙甘草湯」(しゃかんぞうとう)の構成生薬は、、、

炙甘草・麦門冬・地黄・桂枝・大棗・人参(党参)・麻子仁・生姜・阿膠

 

炙甘草とは、甘草を炙(あぶ)った、または炒めたものですが、

「炙甘草湯」の中の甘草だけが、特別な方法で炙られたわけでもなく、

他の方剤の中にも炙甘草は使われています。

 

 

各生薬のはたらき

「炙甘草湯」における各生薬の主なはたらきをまとめますと、

炙甘草 → 心の気を補う

地黄 → 心の血を補う

麦門冬 → 心を潤す

阿膠・麦門冬 → 肺を潤す

麻子仁 → 腸を潤す

炙甘草・人参・大棗 → 陰液を補う

桂枝・生姜 → 気血を巡らせる

全体をみると、「潤い不足」を治したいという構成であることが分かると思います。

 

長い期間、病気を患ったとき、

または常に体に無理をして仕事をしている人は、

体力、気力とともに、水分や血(けつ)を消耗します。

気陰両虚という状態です。

気と陰液の不足が、心や肺(上焦)に症状としてでると、

動悸、不整脈、息切れ、(乾いた)咳、となります。

陰液(潤い)の不足ということで、その他、のぼせ、ほてり、口の乾燥、皮膚の乾燥、便秘を伴うことがあります。

 

甘草を炙甘草にすることで、補気作用が強まるとされています。

炙甘草は、心気虚に対して効果があり、この方剤の主薬となっています。

 

西洋薬の抗不整脈薬のような使い方ではなく、

気と陰液を補充するために、ある期間続けて服用していく処方です。

 

注意点

※地黄・麻子仁が入りますので、胃腸が弱い、食欲不振、下痢などのときは控えてください。

※「甘草湯」(かんぞうとう)とは、全く適応が異なりますので注意して下さい。

 

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