小児の代表的漢方である「小建中湯」(しょうけんちゅうとう)

落語に「葛根湯医者」というのがありまして

誰にでも葛根湯ばかり処方する医者の小噺ですが、

それでいくと、漢方薬を処方する小児科のドクターは、

「小建中湯医者」と言われてしまうかもしれません。

小児の体質改善に非常によく使われている方剤です。

 

風邪を引きやすい、疲れやすい、冷え症
顔色が悪い、不活発、常習頭痛
食が細い、
便秘、下痢、腹痛、
夜泣き、夜尿症(おねしょ)

など体質改善といっても「小建中湯」の適応範囲は幅広いです。

 

「小建中湯」(しょうけんちゅうとう)

構成生薬は、桂枝・芍薬・大棗・生姜・甘草・膠飴です。

「桂枝湯」の芍薬を倍量にした「桂枝加芍薬湯」に、膠飴を加えたものになります。

小建中湯 = 桂枝加芍薬湯 + 膠飴

 

「建中湯」ですので、焦(消化器機能)からて直していく、という処方です。

 

(桂枝加芍薬湯については→「桂枝湯」の芍薬の量を増やしただけなのになぜお腹の薬になるのかもご参考に)

 

 

膠飴(コウイ)について

膠飴は、たくさん加えられていまして、

重さでいうと「小建中湯」の半分近くは、膠飴の重さであり、

1日の服用量が多くなってしまうのは、膠飴の分です。

その分、小児にも飲みやすい甘い味になります。ただし、やはり「桂枝湯」の匂いは少し残ります。

膠飴とは、米や小麦のでんぷんに麦芽を加えて醗酵させたもので、

いわゆる「アメ(水飴)」のことです。

甘くして飲みやすくしているだけではなくて、

栄養を補う、腸内環境を改善する、お腹の痛みを和らげる、などの効果が期待されています。

膠飴の成分は、ほぼマルトース(麦芽糖)、とデキストリン。

ですが、これが薬と言われるほどの明確な作用機序はいまだ分かっていないことも多いです。

 

「小建中湯」が処方されるもう一つの理由

小児が腹痛などの体調不良を訴える背景には、

時として、母親に十分に構ってもらえていない、

甘え足りない、というストレスの表現である場合があります。

そこで例えば、「小建中湯」を体質改善のために、1日3回服用しましょう、となれば、

子供にとっては1日3回、母親に薬を飲ませてもらう、構ってもらえるチャンスが増えるわけで、

薬のそのものの効果と一緒に、心を満たす効果も期待されています。

 

「黄耆建中湯」も使われます。

「小建中湯」に黄耆を加えたものが、「黄耆建中湯」(おうぎけんちゅうとう)です。

「小建中湯」を使うよりも、脾の機能低下があり、気虚の程度が強い場合、

例えば、寝汗が多いとか、湿疹などの皮膚症状が多いとかのときは、

「黄耆建中湯」が使われます。

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