大柴胡湯(だいさいことう):DST

柴胡剤の中では最も実証向けの漢方薬。

小柴胡湯」から(人参・甘草)を除いて(芍薬・枳実・大黄)を加えたものです。

補気薬の人参と甘草を抜いてしまうということは、脾胃を補う必要がない時に用いるということです。

最近はダイエットに使える漢方薬としてのイメージが強いかもしれませんが、

元々は、カゼが長引いたときに使う方剤です。

『傷寒論』においては少陽病に陽明病を兼ねるときの代表処方とされます。

カゼをひいて10日も経てば、熱はすでに体表ではなく、胃腸の中に及んでいます。

少陽病だけであれば「小柴胡湯」。それでは治らないとき、

消化管内の熱によって、心窩部(みぞおちあたり)がつまった感じや圧迫感があって、吐き気があり、

イライラしたり、鬱々したりすることがあります。

このとき、芍薬・枳実・大黄が必要です。

芍薬で適度に潤しながら、枳実・大黄で腸内の熱を除いてやります。

要するに「大柴胡湯」で治療します。

しかし現在では、カゼに限ることはなく、

上腹部の張り、消化器系の熱(炎症)などの改善を目標に、幅広く応用されています。

医療用エキス製剤では、東洋・JPS・オースギ・クラシエ・コタロー・サカモト・ジュンコウ・ツムラ・テイコク・マツウラ・三和・太虎堂・本草、各社から出ていて、

オースギとクラシエには錠剤タイプもあります。

 

 

大柴胡湯の出典

傷寒論・金匱要略(3世紀)

大柴胡湯を構成する生薬

柴胡(サイコ)
黄芩(オウゴン)
半夏(ハンゲ)
生姜(ショウキョウ)
大棗(タイソウ)
芍薬(シャクヤク)
枳実(キジツ)
大黄(ダイオウ)

大柴胡湯の効能・適応症状

黄疸、胆石症、胆のう炎、肝機能障害

高血圧症、高血圧・肥満に伴う肩こり・慢性頭痛

悪心、嘔吐、食欲不振、胃酸過多症、痔疾、常習便秘

肥満、糖尿病、高血圧などの体質改善

気管支喘息

ノイローゼ、イライラ、不眠症、耳鳴り、神経衰弱、陰萎、脳溢血、半身不随

その他、各炎症性疾患

  • 保険適応外の症状を含みます。
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が大柴胡湯で治せる、ということではありません。

大柴胡湯の使用ポイント

イライラして怒りっぽい、便秘傾向、胃部につかえ感、上腹部が張って苦しい、舌の苔が黄色、などがポイントになります。

「小柴胡湯」を用いるような状況で、便秘傾向があるとき、

または、「小柴胡湯」を用いる状態よりも炎症が強そうなときに用いられます。

大黄の配合量は少量です。「大柴胡湯」の中の大黄は下剤目的だけで配合されているのではないので、便秘がなくても使われることがあります。

「大柴胡湯」を用いるときのお腹の張りは、胃や肝臓のあたりの上腹部です。

下腹部の張りがあって便秘のときは、「大承気湯」などの適応になります。

大柴胡湯の副作用・注意点

これで下痢をしてしまう場合は、大黄を除いた「大柴胡湯去大黄」(コタロー・三和)を検討します。

長期間服用されるときは、柴胡剤ですので証を考慮して、間質性肺炎などの副作用に気を付ける必要があります。

炎症だったりイライラだったりの熱っぽい症状に使う漢方薬であり、通常、冷えのある人には用いられません。

妊娠中の使用はできるだけ控えてください。

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

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