麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう):MKYK

表実の風湿邪に対する、祛風除湿の処方です。

「麻黄湯」の麻黄と杏仁の量を減らし、桂枝の代わりに薏苡仁(ヨクイニン)を加えたものに相当します。

桂枝が配合されませんので、杏仁や薏苡仁と組み合わさった麻黄は、発汗薬としてよりも、利水薬としての効果が期待されます。

薏苡仁も、(イボや肌荒れの薬として知られていますが)組織の過剰な水分に対して利水の効果があります。

つまり祛風のはたらきが弱くなる代わりに、除湿のはたらきが強くなっています。

風湿の邪、特に湿邪が原因で起こる痛みに効果があります。

よって浮腫(むくみ)を伴う痛みによく用いられます。

別称:麻黄杏仁薏苡甘湯、または麻杏苡甘湯

ネットで検索する場合は、「麻杏よく甘湯」で探す方がたくさんヒットします。

医療用エキス製剤では、オースギ・クラシエ・コタロー・ツムラ・三和・JPSなどから出ています。



麻杏薏甘湯の出典

金匱要略(3世紀)

麻杏薏甘湯を構成する生薬

麻黄(マオウ)
杏仁(キョウニン)
薏苡仁(ヨクイニン)
甘草(カンゾウ)

麻杏薏甘湯の適応症状

関節痛、神経痛、筋肉痛、リウマチ、しびれ、腰痛、ねちがい

咳や(夕方に)発熱のあるカゼ、喘息

浮腫

イボ、手掌角化症、皮膚乾燥、頭部のフケ、水虫

  • 保険適応外の症状を含みます。
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が麻杏薏甘湯で治せる、ということではありません。

麻杏薏甘湯の使用のポイント

もともと麻杏薏甘湯は、汗をかいて風にあたったり、長いあいだ湿地に居たなどで冷えてしまい、熱が出たり、関節や筋肉に痛みや浮腫が生じたときの方剤です。

主に、体表に風湿邪が侵入したことによって生じる関節や筋肉の痛みに対して使われています。

痛みは比較的軽く、初期のしびれ痛、浮腫がみられるような症状に用いられます。

痛みのある患部は温めた方が良い場合が多いです。(湿邪は冷やすと痛みを強くする傾向がある。)

風湿邪の影響がある場合、体表の陽気が巡らず、皮下で熱がこもりやすいので、昼過ぎから夕方頃になってくると、カゼのときは発熱したり、関節痛のときは痛みが増したりすると考えられます。

またこのとき、浮腫はあっても、皮膚に汗はなく、乾燥気味で、カサカサやザラザラしていることが多いです。

汗が出ている場合は、風や寒さにあたって冷えないようにして下さい。

麻杏薏甘湯の注意点

麻黄が配合されていますので、高血圧、狭心症や心筋梗塞などの心疾患がある方は慎重に使う必要があります。

また、特に高齢者の場合、不眠、高血圧、排尿障害、動悸などの副作用に注意して下さい。

まれに胃腸障害や下痢を起こすことがあります。

皮膚疾患に使うときは、長期連用はせず、代わりにヨクイニン単味の方が良いかもです。

煎じ薬の場合、(原典では)甘草は炙甘草を用います。

  • 用法用量や使用上の注意は、医師・薬剤師の指示、または添付文書の説明を守ってください。

一般用医薬品(市販薬)の麻杏薏甘湯の例

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