四君子湯(しくんしとう):SKST

別称:四味湯・益気湯

四君子湯は、補気の基本処方

脾胃気虚に対する薬です。

食べたものを消化吸収して自分のエネルギーに変える、という生命活動でもっとも大事な働きを支えます。

体力が落ちて元気がないとき、またはたとえ元気なときであっても、胃腸は正常に働いている状態の方が当然いいわけで、

四君子湯を単独で服用することはあまりないかもしれませんが、

数ある漢方薬の生薬構成のなかには四君子湯の要素を見つけることができます。

四君子湯をベースに含んでいるものには、例えば「十全大補湯」や「加味帰脾湯」などがあります。

四君子湯の原典

和剤局方(12世紀)

「栄衛の気虚、臓腑の怯弱、心腹の脹満、食欲不振、腸鳴泄瀉、嘔噦吐逆するを治す」

四君子湯の組成(構成する生薬)

  • 人参(ニンジン)
  • 白朮(ビャクジュツ)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)

※原典の『和剤局方』では人参・茯苓・白朮・甘草の4種類。

今の四君子湯は、それに大棗(ナツメ)と生姜(シヨウガ)をオマケで加え、味付けされています。

白朮の代わりに蒼朮(ソウジュツ)を使うメーカーがありますが、脾を補う目的があるので、白朮の方が望ましいです。

「四君子湯」の名前の意味

人参・茯苓・白朮・甘草で構成される四君子湯は、

『神農本草経』で上品にランクされる四つの生薬(君子)からなる処方。

四つの君子のような優れた薬で構成されている処方という意味合いです。

君子のごとく、穏やかな作用で、服用しても体に弊害がでないように作られた処方ともいわれます。

四君子湯の効能

4つの生薬それぞれが、消化吸収機能を高めて気を補うように作用します。

消化吸収機能が低下して

  • 食欲不振、疲れやすい
  • 食べるとお腹が脹る、胃がもたれる
  • 消化がわるい
  • 軟便・下痢または便秘(排便の最初が硬い便であとが水様便)
  • 声に力がない

などを改善します。

半夏・陳皮を加えると、「六君子湯」(りっくんしとう)になります。吐き気があるときは、こちらが有効です。

六君子湯の詳しい解説

四君子湯の適応症状

胃腸虚弱、食欲不振、少食、胃もたれ、消化不良、胃の不快感

慢性胃炎

慢性の下痢(軟便~水様便)、または便秘、嘔吐

疲れやすい、声に力がない、顔色が白い、四肢の無力感

  • 保険適応外の症状を含みます。
  • 上記の症状に応用が可能という意味であり、すべての症状が四君子湯で治せる、ということではありません。

四君子湯のポイント、飲み方の注意点

胃腸の機能(消化吸収)を高めることで気を補う、という方剤です。

六君子湯、十全大補湯、加味帰脾湯などのベースにもなる処方で、単独で使うよりも、他の方剤と組み合わせて使われることが多いかもしれません。

吸収障害による下痢と、蠕動不足による便秘の両方に適応します。
(便秘はあっても排便時のはじめは硬くあとは水様のことが多い)

四君子湯の飲み方

脾虚の方、食欲不振の方に対して使われる漢方薬です。

バイキングに自分からよく食べに行く人は、脾虚ではありません。

仕方なくバイキングに連れていかれて、食べないと損だと分かっていても、頑張れないような人です。

もっと脾虚の程度がすすむと、1日3食は食べられず、お腹が空いたときに、食べられる量だけ少しずつ食べるという人もいます。

ただでさえ胃が飲食を受け付けない状態かもしれませんので、場合によっては、通常処方される「1日3包服用して下さい」の指示が、負担になることがあるかもしれません。

1日1包または2包くらいから飲み始めたり、服用できそうなときにだけ服用することにしたりして、そして徐々に服用量を増やしても構いません。

また、漢方薬を飲み慣れていない方は、味や匂いが苦痛になることがあるかもしれません。

味が慣れてくるまで、お湯で溶かしたりせず、ご自身の服用しやすい方法で無理せず服用しても構いません。

特に、水分の摂取が胃腸に負担になることもあるので、漢方薬の服用の際には、なるべく飲む水の量を少なくする工夫も必要です。

そういう意味でも、1日3回が基本とは考えずに、服用回数を1日2回にするなどしても良いと思います。

 

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